時事問題のキーワードを5W1Hでひもときます。
阪神・淡路大震災は1995年1月17日に発生しました。2024年現在で29年が経過しています。震災後に生まれた若者や、震災後に流入してきた世帯にとって、震災の記憶は直接的なものではありませんが、防災意識を高めることは非常に重要です。
震災で被害の多かった長田区で、防災空地が作られました。時間が経っても来るべき災害に準備する姿勢は素晴らしいと思います。防災空地についてまとめてみました。
丸五市場内に「まちなか防災空地」が完成しました！
都市局まち再生推進課、長田区総務部地域協働課、消防局長田消防署総務査察課 二葉町3丁目まち再生協議会では、令和3年6月に二葉町「3丁目の夕日」まちづくり構想を策定し、地域の魅力を高め、燃え広がりにくく、避難しやすい安全・安心のまちづくりを進めてきました。 防災性や住環境にさまざまな課題を抱える密集市街地において、安全・安心・快適なまちづくりを推進するため、火災などの延焼を防止するスペースを確保することを目的に、平常時は広場・ポケットパークなどのコミュニティの場として、災害時は一時避難場所や消防活用用地などの防災活動の場として、利用する空地のことです。
防災空地の概要
5W1Hの要素
- 何: 防災空地とは、地震、洪水、火災などの自然災害発生時に、避難場所として利用されるために確保された空地のことです。また、平時には公園や駐車場など、地域の公共施設としての役割を果たすこともあります。
- なぜ: 自然災害発生時に、避難者が一時的に安全を確保する場所を提供し、災害時の混乱を最小限に抑え、被害の拡大を防ぐために設けられます。
- 誰が: 地方自治体や国が中心となり、設置・管理を行います。地域住民が利用することを前提としています。
- いつ: 特に大規模な自然災害が頻発する地域では、事前に計画的に設置されます。その他、過去の災害を教訓に設置されることもあります。
- どこで: 日本を含む自然災害が多発する国や地域で見られます。特に、地震や津波のリスクが高い地域や、洪水が頻発する地域に設置されることが多いです。
- どのように: 平時は公園などとして利用されるが、災害発生時には迅速に避難場所として機能するように準備されます。設計段階で、避難経路の確保や、災害時に必要な物資の備蓄スペースの確保などが計画されます。
対立する意見
- 賛成: 防災空地は災害時の安全確保に不可欠であり、特に狭小地や高密度地域では、避難場所の不足を補う重要な施設となる。
- 反対: 土地利用の面でのコストが高く、平時に有効活用されていない場合があるため、他の開発プロジェクトや施設にその土地を利用した方がより経済的であるとの意見もある。
歴史的・社会的背景
- 歴史的背景: 大規模な自然災害が発生した後、その災害からの教訓を生かして設置されることが多いです。例えば、1995年の阪神・淡路大震災後、避難場所の不足が問題となり、その後の防災計画において防災空地の確保が強調されました。
- 社会的背景: 防災意識の高まりとともに、防災空地の設置や管理に関する社会的な要求が高まっています。また、地球温暖化の影響で自然災害が増加する中、防災空地の重要性が再認識されています。
まとめ
防災空地は、自然災害時における避難場所としての役割を持つと同時に、平時には地域の公共スペースとして利用される重要な施設です。地方自治体や国が中心となって設置・管理を行い、災害への備えとしての意識が高まる中で、その存在の重要性が再認識されています。対立する意見としては、土地利用の経済性に関する議論が存在しますが、災害リスクの高い地域においては、その価値が非常に高いとされています。
阪神淡路大震災における長田区の延焼地域
- 神戸市長田区水笠通５丁目
- 神戸市長田区若松町10丁目周辺
