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時事キーワード解説

キーワードを5W1Hで解説するよ

発がん性物質PFOAを素手で扱い血中濃度が20倍

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時事問題のキーワードを5W1Hでひもときます。

PFOA/PFOSは、環境と人体に悪影響を及ぼす可能性がある化学物質です。過去(1965年から2013年まで48年間)にそれらの物質を扱っていた会社が、今年(2024年)2月に従業員に対して血液検査を行ったところ、高い発がん性物質濃度が検出された。

静岡市清水区三保の化学工場「三井・ケマーズフロロプロダクツ」は、そのPFOAを1965年から2013年まで48年間扱ってきており、2024年2月 元従業員などを対象に血液検査を実施した。
PFOAに関しては環境省血中濃度の全国調査をしていて、2022年の調査の全国の平均値は2.0ng/mlだった(対象89人、血漿中濃度)。1ngは0.000001mgだ。

PFOA(ペルフルオロオクタンスルホン酸)について

  • 何か?
    • PFOAは、ペルフルオロオクタンスルホン酸の略称.。有機フッ素化合物PFASの一種で、よく似たものにPFOSがあります。
    • どちらも非常に強力な界面活性剤で、水や油をはじく性質があるため、さまざまな産業で使用されていた化学物質です。これまで泡消火器や塗料のレベリング剤として使われてきました(フッ素系の撥水剤はPFOS,PFOAとは異なる物質です)。
    • PFOAは、水や油をはじき熱に強いためフライパンのコーティング加工や食品パッケージなどに使われた。現在 日本では製造や輸入が禁止されています。
    • 非常に化学的に安定している物質で、光や熱に強く、生分解も受けないことから“永遠に残る化学物質”とも言われています。

  • 誰が関係している?

    • デュポン社や3M社など、多国籍企業がPFOAの製造や使用に関与しています。
    • 消費者、工業製品の製造者、環境保護団体など、幅広い関係者が存在します。
  • いつから問題に?

    • 2000年代初頭から、PFOAの環境および健康への影響が国際的に問題視され始めました。現在では日本でも輸入禁止、製造禁止となっています。
    • WHO(世界保健機関)のがん研究機関は、2023年12月PFOAを「発がん性がある」と発表しました。
  • どこで使用されている?

    • ノンスティック加工された調理器具、防水・撥水加工された衣服、食品包装材料など、日常生活の多方面で使用されています。
    • テフロンは化学的に不活性の高分子であり、生体内に取り込まれないため毒性はないとされています。
  • なぜ問題とされるのか?

    • PFOAは環境に長期間残留する「永久化学物質」の一つであり、人体への慢性的な健康影響(がんリスクの増加、生殖機能の低下など)が懸念されています。
    • 環境中で分解されにくいため、世界中の水源や土壌、さらには野生生物にまで検出されることがあります。
  • 対立する意見

    • 一部の業界関係者や科学者は、PFOAの使用による経済的利益や製品の機能性を指摘し、適切な管理下ではリスクが最小限に抑えられると主張しています。
    • 一方で、環境保護団体や一部の科学者は、PFOAに代わる安全な代替物質の開発と使用を強く推奨しています。
  • 歴史的背景と社会的影響

    • 2010年代に入り、多くの国でPFOAの使用が規制され始めました。特に、ストックホルム条約においては、PFOAを含む一部のフルオロ化合物が持続可能な有機汚染物質(POPs)としてリストアップされ、国際的な取り組みが強化されています。
    • PFOAに関連する健康被害や環境汚染は、企業の責任や政府の規制策、さらには消費者の製品選択に大きな影響を与えています。

商品紹介など

フライパンなどにもPFOA/PFOSフリー(含まない)の商品があります。フライパン等の焦げ付かない性能がうたわれている商品を購入する際は、その表記を確認するようにしましょう。